処女でも年収1000万円「ネット風俗嬢」書籍レビュー
こんばんは、妖子です。
「生きていくことは性を考えることでもある」と強く信じている私にとって、大変興味深い書籍でした。帯に書かれた文言が画期的。
「処女でも年収1,000万」。でも、それは、可能性の話であって、現実はそんなに甘くないのさ。
基本情報
楽天koboで読む
タイトル:ネット風俗嬢
ジャンル:社会ルポ
見どころ:近代文明が生んだ新しい形の風俗の実態
内容
セクシャルな領域は本当に興味深い。
以前、ケンコバ(だったかな?)が風俗嬢やAV嬢は公務員にすべきだと発言していたけれど、なんとも素晴らしい提案ではないか!
世の男どものため、己の肉体を酷使して奉仕するその姿に、敬意すら覚える私はその考えに大賛成だ!!
そんな風俗界にもファーストフードならぬ、ファースト風俗がある(従事している側からしたら実態は全くファーストではないが)。
チャットを使ってセクシーなやりとりをするといったもので、知る人ぞ知るツール。
利用する側も働く側も敷居が低いのが魅力だそう。
確かに利用する側はそうだろう。
面と向かっては、女性に対して積極的になれない男性陣もネット上でなら好きなだけアピールできる。
でも。
働く側の現状はとってもシビア。
顧客のニーズとハートをつかみ、もっと話したい、もっと見たいと思わせなければ、まとまった収入にはつながらない。
「生まれもったセンス」があると、業界の担当者は冷酷に呟く。男性の性的欲求を煽る才能。
どこでどんな視線を送り、どんなセリフをつぶやくか、引いての押しての粋な駆け引き。
計算に計算を重ね、言ってしまえば、顧客のニーズを掴み、マーケティング、かつ、セルフプロデユースを意識的にしっかり行い、数字につなげなければならない。
営業と企画とマーケティングをすべて、自分ひとりで請け負うというのだから、普通のサラリーマンだったら、超エリートではないか。到底、バカでは出来ない高度な技術。
働くことになんの意味も見出だせず、性的なコンテンツに全く抵抗がない私は、<最悪、こういうところで働けば食べていけるだろう>と思っていた。
今となっては、読了する前の浅はかな自分を痛め付けたい。ごめんなさい。
世の中は、そうそう簡単にお金を稼げるシステムになっていない現実に落胆する。知っていたけれど、どこまでも資本主義社会は冷たい。