「がん外科医の本音」もっと早くに知っていれば!絶対にタメになる本<書籍レビュー>
こんばんは、妖子です。
子宮頸がんつながりで手に取ったこちらのタイトル。
非常に良書でしたので、シェアいたします。
知らないと損するだけでなく、健康に害をもたらしてしまうのが健康の知識。
そして以外と知らない「がん」。
本書でシンプルに学び直すのはいかがでしょうか?
それではいきましょう!
☆基本情報☆
楽天koboで読む
タイトル:がん外科医の本音 患者の前で言わない本当のこと
ジャンル:健康(がん)
見どころ:シンプルでわかりやすい
刊行年:2019年6月
がんってそもそも何なのか?
言われてみれば、何なんだ?
ざっくり「病気」としか答えられない。
答えられる一般人はそんなに多くないのでは?と無理やり仲間探しをする妖子であります。
『「がん」とは、遺伝子に傷がつき、遺伝子レベルの異常が引き起こす病気である』というのが正解です。
「遺伝子に傷がつく」というのは、厳密にどういうことなのか、非常にわかりやすく説明した上で、『「がん」になるのは人間の宿命』と書いています。
ステージが進行してしまった「がん」は辛いし、検診でも発見しきれない厄介ながん細胞があることを考えると、「じゃぁ、仕方ないね」と開き直るのは忍ばれます。
しかし、「宿命」と言われて、否定しきれないのが「がん」なのだなぁと納得。私達は「がん」とこれからもうまく付き合っていくしかないのです。
そのがん検診は必要なのか?
「がん」にはならない方が絶対良い。
予防出来るものは予防すべきだし、早期治療のための検診は絶対。
それが「がん」と上手く付き合うベストな方法ではないでしょうか?
しかし、世の中にはいろいろながん検診がありますが、有効とは言えない検診が存在することは初めて知りました。
生きている間に、なり得なかった「がん」にまで反応してしまい、不要な治療が施されることがあるなんて、どれだけの人が知っているというのでしょう。
本の帯にもある通り、「もっと早く知りたかった!!」
米国の乳がん検診事情にはカルチャーショックさえ受けます。
一方で、検診を受けることにより、高い確率で早期治療出来るのが子宮頸がん。日本は予防の観点で非常に遅れを取っており、世界から「どうなってるんだ?」と疑問視されています。

このご時世、情報を手に入れるのは難しくありません。
難しいのは、「この情報は正しいのか、誤りなのかを判断すること」です。
医学においては、「科学的根拠」がすべて。医師や専門家でも正しいことを言っているとは限りません。一人一人が審美眼を得る努力をしないといけませんね。
がん外科医ならではの価値観
「がん」になった患者が亡くなり、悲しみにくれる家族を目の当たりにする日々。
辛いに決まっています。
そんな光景を数えきれないくらい見てきた著者は、「がん」を「雨が降るようなものだ」と語ります。
非常に素敵な例えなんです。
また、「がん」が判明してからこの世を去るまでは、ある程度の時間があることが大半です。
お互いのコミュニケーションの機会として、その時間を尊ぶことが出来るのは、「がん」特有だとも話します。
詳しくは本書にて、是非ご一読ください。心に響くものがきっとあります。
他にも子宮頸がんワクチン、アンジェリーナ・ジョリーの乳房切除、医学界の重鎮の意見の偏りなど、興味深いトピックで埋め尽くされた本書は、まさに「がん外科医の本音」。中には話したくないこともあったに違いありません(本文に何度かそのような旨の記載あり)。
有り難く拝読することに致しましょう。
余談ですが、個人的に普段からtwitterで非常にお世話になっている(勝手にフォローしている私はただの有象無象のフォロワー)峰宗太郎さんが監修されていたのは嬉しかった。