性の革命を!「フランス人の性 なぜ#Me Too 運動への反対が起きたのか」<書籍レビュー>
こんばんは、妖子です。
日本の性教育はおかしい!!!!!これではいかん!!
と思っている方は、こちらの本をオススメします。
突然ですが、私から見る日本人のほとんどは「ムッツリ」です。
悪いことをしているわけではないのに、物心ついた時からコソコソし始めて、正しい知識を持たないまま大人になって、またコソコソして。
教える人間がいないから、教える必要性すら認知されず、間違えた知識が横行し、「エロ偏差値」は世界規模で見ても最低ランク。
でも、ある日ふと思ったんです。
その元凶はなんだ?
日本人は優秀だって言われるし、遡れば性に自由な時代が日本にもあったのです。そんな我々の性文化や性教育を一体誰がこんな醜いものにした?
その答えを求めて、日々いろんな参考文献に手を出している今日この頃です。
今日、レビューをする書籍は、今の日本に足りていないものが何なのかを教えてくれる興味深い一冊です。
☆基本情報☆
電子書籍サイト「honto」へGO
タイトル:フランス人の性 なぜ#Me Too 運動への反対が起きたのか
ジャンル:教育・教養
見どころ:世界でここまで違う性教育、日本の時代錯誤っぷり
ブログ内でのネタバレ:なし
公開年:2018年
内容はいたってマジメで、下品なエロ要素は一切ありません。いかにも「教養」といった感じで、異文化のオンパレード。日本を「むっつり」大国に仕立てあげた奴は今のところわかりません。
元凶はなんであれ、今を生きる我々には出来ることがある。
そう思わせてくれます。
レビュはじめまーーっす♪
ママ、コンドームはするよ、心配しないで
フランス在住の日本人著者が、16歳の息子にお泊まりの事前報告をされた時の台詞。
私たち日本人には、まったくもって免疫のない話。
もちろん、衝撃を受けたのは同著者も同じでした。
しかし、その時の母親としての対応のふがいなさが、この本の原点になっています。
フランスでは8歳から性教育が始まります。
愛とは何か、
性的同意とは何か、
コンドームの使い方からピルの仕組みまで。性教育っていうと、セックスのことだけを教えるイメージが日本には横行していますが、
根本は「愛」や「コミュニケーション」の教えであることを忘れてはなりません!
子供たちは、クラスで話し合い、他者の意見や感じ方をリアルに肌で捉えます。
まさに、このスタイルこそコミュニケーションを体感するということ。
「性」は他者がいてはじめて成り立つもの。感受性が豊かで、性差が緩やかなこの時期に、どのように性と向き合うべきなのかを学び、訓練していきます。
多様性国家だからこそ平等な教育を!
フランスは、宗教や言語だけ見ても多種多様。性に及べば多様性に拍車がかかります。
婚前セックスを禁止する宗派。
女子の性器を切除するアフリカ系の家族。
だからこそ!
フランスのスタンダードは「公共機関の学校で習得させる」!
そんな意気込みで、教育者ジュール・フェリーが性教育改革に乗り出します。それが、1881年。
一方、2019年の日本では、性教育の方針変更の話題になると決まってお国の人々が発する台詞。
「性への考え方は家庭によって異なるので扱いが難しい」
・・・・・・・・・
どこにいるの?日本のジュールフェリー。
性教育の非営利プロ集団「プランニングファミリアル」
親とテレビを見ている時のキスシーンが気まずい。
誰しも経験がおありでしょう。
近い仲での性教育の難しさは、実は我々は身をもって知っているのです。
フランスでもその認識は同じで、「プランニングファミリアル」という非営利団体が性教育を担います。
教師でも、家族でもない誰かが、学校で性教育をしている、という事実。
まさに日本が必要とするロールモデル!!!
設立は1956年と歴史は長く、性に関する悩みやトラブルを無料で相談することができます。
子供たちへの教育は、羞恥心を取り除くことからスタートし、学年が上がるにつれて、内容もどんどん専門的に、医学的になっていきます。
日本に住んでいる私には彼らのような存在はスーパーヒーローのように聞こえるけれど、これが標準装備になるべきなんですね。
Twitterを見ていると、日本にもいろいろな切り口から、現状を変えていこうとする人々がいらっしゃいます。
聞こえは悪いですが、どこの誰かもわからない人間が発信するスタイルは必要なんですね。
お面かぶって、生態すらよくわからない妖子でも少なからず需要はあると思い、頑張らねば。
セクハラの概念が存在しないセクシーすぎるフランス
しっかりした性教育のおかげで、性にオープンなのは子供だちだけではありません。
職場でも、家庭でも、社会全体が驚くほど性に対して自由。
食事の席で、自分の旦那がヨソの奥さまと親しくしているからといって、嫉妬は醜態でナンセンス。
結婚したからと言って、それぞれの性の輝きを置き去りにしてしまうのは、楽しくない!
少しくらい不貞要素がないと色っぽくないじゃない!
マンネリ気味の夫婦間に刺激を!yahoo!!!!!!
それが、セクシー大国おフランス。
驚くべきは、日本ではセクハラで訴えられるであろう行為も、色っぽいコミュニケーションに分類されること。
Oh my gosh…….!!!!
しかし、逆に「セクハラ」という概念が通用せず、主に女性側で苦しい思いをする人が続出しているのも事実だそうで。。。。
いち読者の憶測だけれど、結局のところ、「ただし、イケメンに限る」という事象も少なくないのではあるまいか。
性の自由は自分達の手でつかみとれ
フランスのように自由になりすぎて、前述のようにイキすぎたセクシーも問題ですが、そんなフランスも最初からオープンだったわけではありません。
時を遡れば、1年で90日しかヤレる日がない、といった日本以上にクレイジーな時代があったのです。
キリスト教との熾烈な争いや、フランス革命後の涙ぐましい長年の努力の末、やっと掴みとった自由。
そのひとつが性や恋愛に対する自由であり、かけがえのないものという意識が人々の中に存在するのは、当然のことのように感じます。
ここでひとつの疑問が。
日本は果たして性を取り戻すために血の滲むような努力をしてきたのか?
「ムッツりなエロ」が横行しているのは、ひょっとすると「手を伸ばせば届いてしまうコンビニエンス化したエロ」が原因なのではあるまいか。
キーワードを打てば、見たいAV が無料で見られる。
誰にも知られずに。
これじゃむっつりが大量生産されても不思議ではありません。
このような状況が続けば、本当の意味で日本が「自由な性」を取り戻す日は永遠に来ない。
AVがフィクションであることを教え、愛を軸とした性教育が絶対に必要。
自分達の手で築き上げた性の文化に、プライドと誇りが持てるような国にしようではありませんか。
「僕がピルを買って彼女に持って行ってあげるんだ」とティーン達が堂々と行動にうつせる日を夢見て。
フランスに続け、日本。
最後に、本文中に登場する、私が大変気に入ったフレーズを置き逃げしたいと思います。
「一生、貞節を誓う人間は、自分を過信している。」
![]() |
【中古】 フランス人の性 なぜ「#MeToo」への反対が起きたのか 光文社新書961/プラド夏樹(著者) 【中古】afb 価格:198円 |
↑中古で気軽に読みませんか?@楽天