「さびしすぎてレズ風俗に行きましたレポ」セックスは究極のコミュニケーション!<漫画レビュー>
こんばんは、妖子です。
「実は私セックスレスで悩んでました(レビューはこちら)」
「夫のちんぽが入らない(レビューはこちら」
などキャッチーなタイトルとは裏腹に、とんでもないシリアスな内容をかましてくるメディアは、過去にいくつか紹介しましたが、新手です。
拒食症・過食症、繰り返される自傷行為、毒親との攻防etc。そんな著者が勇気を出してレズ風俗に行ったことで、自分探しを実現できたドキュメンタリーです。
この手の読み物は、きっとたくさんの人を救い出しているに違いない。
私にはそうした力はないので、せめて素敵な作品を拡散します。
では、いざ参らん!
☆基本情報☆
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タイトル:さびしすぎてレズ風俗に行きましたレポ
ジャンル:健康、社会問題レポ
ブログ内でのネタバレ:なし
刊行年:2016年
もはや欠かすことのできない毒親の存在
家族のエピソードは掘り下げられていないにも関わらず、「あぁ、毒親なんだな」と思わせる描写が多数。
今や「この手の問題あるところに、毒親あり」と言っても過言ではないですね。
親の期待を過剰に背負っていたり、親の描く理想像に縛られたり。
こうした環境を冷静に分析し、自分の取るべき行動を自力で導き出した著者には、拍手喝采を送りたいです。
正しい知識が与えられない弊害
「自分で自分を大切にしたい!」という衝動が、レズ風俗を利用する行動に駆り立てたわけですが、この行動で彼女の性の認識が劇的に変わります。
著者はBL(ボーイズラブ)の愛好家です。
性を禁忌(きんき)と捉えていた著者は、「女が登場しない他人事のBLは、唯一触れて良いエロだったのかも」という考えを書いています。
これ、男性がAVを教科書にしている現状に似ていると思いませんか?
一般男性の中で、性を禁忌としている数は少ないかもしれませんが、「ファンタジー」を見て興奮をしている構図は同じです。
現に、著者も本作の中で同じようなことを書いています。
「知識が与えられずに過剰な期待を抱く。私が男だったら真実を知った時にショックを受ける」と。
両者ともに、根っこにある原因は「きちんと教えてもらえない」という事実です。
「性教育がなされない」弊害は、いろいろな形で現れるということを教えてくれたエピソードでした。
ぬくもりの偉大さ
主人公の心の乾きが、漫画越しでも伝わって来てしまい、辛いです。
だからこその、レズ風俗の利用だったわけですが、そこで「セックスはコミュニケーションだったんだ」と気づきます。
そもそものコミュニケーション力がないから、あんなに求めていた肌のぬくもりも、体感出来ずに終わるというオチです。
過剰に人の温かみを大人になってから欲するのは、必ず何か原因があります。
その原因と対峙するのは辛いですが、向き合うしかありません。
反対されても心の支えを持つ
アイドル、アニメ、アーティスト・・・・数を上げたらきりがありません。
時に狂気を感じるほど、何かにのめり込んでいる人々がいますが、何かから自分を守っているように見える時があります。
それが真実だとして、それはとても大事なことであり、何かに捕らえられ、辛い思いをしているよりも、よっぽど健康的です。
本作の著者も、親から「正社員」攻撃を食らい続けますが、自分が好きだった漫画を選び、こうして形にしています。
本当に、彼女に、漫画があって良かった・・・。
心の底からそう思います。
ところで、「想像したことを書くのは無理だけど、実際の体験談を書くのは何とも思わない」というフレーズ。
共感できすぎて、笑える。いや、思わず爆笑であります。
私も自分が性病になった話は平然と、淡々と、延々と、出来る。100万人の前でスピーチしろって言われても、昨日の夕飯を語るかのように、淡々と語れる自信がある。
しかし、自分の妄想の話は無理だ。恥ずかしいというより、もったいない。
もったいないといえば、レズ風俗を体験していない私はもったいないの極み。
マンガに出て来るレズ風俗お姉さんが素敵すぎて、私も新しいドアを叩かねば、と思う毎日であります。