「現実逃避してたらボロボロになった話/永田カビ」愛を求めて三千里。苦労は続くよ、どこまでも<漫画レビュー>
こんばんは、妖子です。
時系列でいくと、「さびしすぎてレズ風俗に行きましたレポ」(→レビューはこちら)の後には、「一人交換日記」という作品が先に出版されていますが、発売日に本屋に寄ったこともあり、「現実逃避してたら~」を先に読むことになりました。
なので、作者がなぜ、酒浸りになったかの詳細を、知りません。
私の感想は的外れなところもあるかもしれませんが、ご容赦を。
でも、真実とは違った視点で読めるのも、また一興かと。
では、レビュー始めましょう。
☆基本情報☆
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タイトル:現実逃避してたらボロボロになった話
著者:永田カビ
ジャンル:エッセイ漫画
見どころ:リアルな自分を客観視する著者の奮闘する姿
刊行年:2019年
毒親離れの難しさ
まずは、コレです。
「さびしすぎて~」での毒親っぷりを見ていただけに、いまだ、実家で同居していることに驚き。
先にも述べたように、間に出版された作品を読んでいないので、真実は知りませんが、私の感覚で言うと、「信じられない」。
同居していることから、「愛を渇望する著者の心」が垣間見えるとも取れますが、「親に認めてもらいたい」という承認欲求も描かれていて、ジレンマがじわじわ伝わってきます。
加えて、タイトル通り、肉体の健康も損ない、親に助けてもらっているので、ジレンマは深まるばかり。ううーん、一難去って、また、一難。
自己分析をする能力の凄み
カビさんの、自己分析能力には、ひたすら脱帽。
その能力欲しいっす。
クライマックスでは、怒涛のような自己分析が描かれているのですが、あそこまで客観的に自分を捉えられる人って、そうそういないのでは。
壮絶な心の不調を体験した彼女だからこそ、得ることが出来た後天的な能力なのかもしれませんが、それにしても、羨ましい。
「自分が今どこにいるのか」を客観的に把握することは、生きることを楽にする一つの術だと感じます。
愛とは何ぞや
彼女の人生において、一貫したテーマは「愛」。
両親からの愛、人からの愛、自分自身への愛。
自分を愛することが、どういうことなのかを掴みかけた姿は、「さびしすぎて~」で拝ませて頂きましたが、まだまだ道半ば。
私自身は、自分を愛することに関しては、誰にも負けない自信がありますが、他人へ向けての愛は、いまだよくわかりません。なので、人から受ける愛がどういったものなのかも、わかっていません。
自分が誰かを愛さない限りは、本当の意味で誰からも愛されない、と考えていますが、果たして、カビさんは今後どのようなドラマを見せてくれるのでしょうか?
「愛とは何ぞや」。そんな問いを持つ人全員に読む価値のあるエッセイマンガ。
是非ご一読ください。
この本を刊行する勇気と労力に、敬意と感謝を。