「先生の白い嘘」レイプを題材に描くリアルな性の格差<漫画レビュー>

こんばんは、妖子です。

未だ根強くはびこる「性の格差」を描いた全8巻。

暗い気持ちになりますが、読み応えは保証します。

題材を別にしても、ひとつの漫画作品としても夢中になってしまったので、今回のレビューは力(ちから)入ってますよ!

それでは、いきましょう!

☆基本情報☆
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タイトル:先生の白い嘘
ジャンル:社会問題
見どころ:レイプ、DV、性の格差を描くシリアスな社会派漫画
ブログ内でのネタバレ:あり
連載年:2014-2017
連載誌:モーニング

☆☆本日の目次☆☆

  1. 10秒でわかる「先生の白い嘘」
  2. 性に囚われた登場人物たち
  3. モーニングで掲載された意味
  4. 現実世界ではあり得ないエンディング※ネタバレあり

10秒でわかる「先生の白い嘘」

親友の婚約者にレイプされ、その後も関係を持ち続けることで苦しむ高校教師の原 美鈴。

「女だから仕方ない」。

諦めようとする姿勢とは裏腹に、自分の中に存在する、自分と相手への怒りや憎しみに向き合えずにいた。

そんな折、自身が担任する男子生徒・新妻 祐希が人妻とホテルで関係を持ったとして、学校で問題沙汰となる。

美鈴は新妻と個人面談をする中で、隠し持っていた「性に対する感情」を初めて表に出し、そのことがきっかけで何かが変わり始める。

性に囚われた登場人物たち

百聞は一見に如かず、ということで、相関図作りました。

紹介文の中には、若干のネタバレを含みます。

先生の白い嘘

モーニングで掲載された意味

サラリーマンから圧倒的な人気を誇る漫画雑誌「モーニング」。

ここに性が題材の社会問題が掲載されることには、とても大きな意味があるのではないでしょうか。

レイプの被害者は、女性・男性と両方の性で描かれます。

ほとんどの男性にとって「レイプ」はAV作品のジャンルでしかなく、「する側」であることがほとんどだと思うのです。

空想世界で「レイプ」するシチュエーションを楽しんでいる。

それはそれで良いのですが、日常に持ち込まれた途端、娯楽とは程遠い行為であることが、限りなくリアルに近いフィクションで示されるわけです。

そして、この作品の核である「性の格差」にも、レイプとは別の角度からも切り込んでいきます。

実際にあった、強姦罪やレイプの数秒のニュースは、あくまでも他人事であり、記憶に残りません。

性教育を受けていない大人にとって、感情移入しやすいカジュアルなメディアこそ、絶好の教材です。

まさにそれが漫画であり、こうした作品がもっと世に出されればと感じます。

現実世界ではあり得ないエンディング

※ネタバレあり。

 

 

 

 

すべての登場人物に対し、「こうあるべき」という「理想」のエンディングが用意されています。

この物語のオチに文句をつける、ということではありません。素晴らしい作品であり、読者には優しい結びです。

しかし、現実はそれほど甘くない。

実際には、ますます状況はエスカレートし、悲惨な物語が続くケースも、多々あるのではないでしょうか?

性暴力は根深く、今日、明日での根絶は難しいです。

しかし、どんな経緯があれ、許されるものではありません。

読み終わった後は、モヤモヤとした後味が残ります。

それは、こうしたトラウマを残す暴力が、今日もどこかで行われていると考えてしまうから。

是非ご一読ください。

hontoで読む

★★

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